押し買いとは作品中でも説明されているとおり、業者が「なんでも買い取ります」などと言いながら家を訪問して、実際は金目になる貴金属だけを法外に安い値段で買い取っていくことを言います。
最近の手口では履かなくなった靴、いらなくなった家電など、不用品回収という名目でまずはアポイントを取ってきますが、一旦家にあげたら最後、高価な貴金属を売るまでしつこく粘って帰らないという手口です。
押し買いが世間で騒がれるようになったのは東日本大震災の前後です。高齢者や若い女性の家に突然訪問し、「金の相場がめちゃくちゃあがっている」、「被災者支援のために貴金属を売ってほしい」などと理由をつけて、なかば強制的に貴金属を法外な低価格で買取り、その後連絡がつかなくなる悪質業者が世間を騒がせました。
国民生活センターや消費者相談センターへの問い合わせは年々増え続け、政府も対策にむけて重い腰をあげました。トラブルの拡大を防ぐため、2013年2月に特定商取引に関する法律が改正され、自宅で買い取り業者に物品を買い取ってもらう際の消費者を保護する制度や業者が守るべきルールが定められました。クーリング・オフ制度も導入され、アポイント無しの突然訪問がやりにくくなりました。
しかし、国民生活センターによりますと、クーリング・オフ制度が導入された後も相談件数はしばらく増加傾向が続き、2013年度が7162件だったものが2016年度は8648件にまで増えたものの、2017年度には2939件と大幅に減少しました。
つい先日、押し買いを繰り返していた会社グループが大阪国税局の税務調査を受け、平成29年までの5年間で約11億円の所得隠しを指摘されたことがニュースになっていました。
悪徳業者にもついに天罰が下ったのです。
とはいうものの手口の巧妙化が進んでいるので、うっかり怪しい業者を家に上げないのは鉄則。特に60歳以上の方や女性の一人暮らしは要注意です!
最悪上がり込まれて粘られたとしても、勇気をもって警察に通報してくださいね。
もし本当に貴金属を売却するつもりでしたら、お近くの全質連加盟質店に是非ご相談ください。正当な相場で査定させていただきます。
また質屋でしたら、手放さずにお金を借りる「質預かり」も選択できますよ。
担当:丸万質舗 川崎